【ノミアレルギー性皮膚炎について】 

 

①ノミアレルギー性皮膚炎とは?

ノミアレルギー性皮膚炎とは、ノミの唾液成分に対するアレルギー反応によって皮膚炎を起こすものです。

ノミに刺された部位に見られる皮膚炎は、ノミ刺症(虫刺され)と呼ばれ、ノミアレルギー性皮膚炎とは異なります。

ノミアレルギー性皮膚炎は、日本において発症頻度が高いと言われているアレルギー性皮膚疾患です。

 

②どんな症状がでるの?

典型例では、通常36歳以降の夏から初冬にかけて、腰から背中の辺りを中心とした下半身のかゆみが見られます。

ノミ刺症の場合には、虫刺されによる湿疹やかさぶたができることが多いのが特徴ですが、ノミアレルギー性皮膚炎ではそのような湿疹などがほとんど見られないにもかかわらず、激しいかゆみが広範囲に見られます。

慢性化すると、皮膚が色素沈着で黒ずんだり、ボコボコとした手触りの皮膚感になることが多く見られます。

 

③どうやって分かるの?

ノミ刺症の場合には、ほとんどの場合、寄生しているノミを肉眼で見つけることができます。

しかし、ノミアレルギー性皮膚炎の場合には、ノミの寄生数が問題なのではなく、一匹のノミに吸血されるかどうかが問題になってきます。そのためノミの寄生がごく少数である場合、ノミが寄生しているかどうかの確認が難しいことが多いのです。

つまり、ノミが見当たらないからと言って、ノミアレルギー性皮膚炎を否定することはできません。

ノミアレルギー性皮膚炎かどうかは、症状・発症年齢・他の疾患の除外・投薬による反応などから診断せざるを得ないこともあります。

 

④どんな治療をするの?

・ノミの駆除・予防・・・皮膚病の子だけでなく、同居動物にも行う必要があります。病院で処方するスポットタイプ・スプレータイプのような持続性の薬剤が効果的です。また、ノミ取りシャンプーは駆除効果のみで、予防効果がないものがほとんどですのでご注意ください。

             

かゆみ止め・・・ステロイド剤(非常によく効きますが、副作用に注意しながら使用する必要があります)

非ステロイド剤(副作用は少ないですが、劇的な効果は期待できません)

 

⑤ご自宅での注意点

・敷物をまめに取り換え、寝床を清潔にしてあげて下さい。

・寝床周辺のホコリがたまりやすい場所は、ノミの巣となっている可能性があります。ご家庭用の殺虫剤を使用して、こまめに掃除してください。

・犬小屋やその周辺の洗浄、周辺の土を盛り返すのも有効です。

 

ご不明な点がございましたら、お気軽に当院までお尋ねください。