✿ワンちゃんと楽しく暮らすために✿

 

ここでは、ワンちゃんと楽しく暮らしていくために必要な、「しつけのお話」をしていきたいと思います。

しつけはワンちゃんと人が良い関係を築いていく上で、とても大切なものです。

しつけ以外にも、犬種の選び方・ワンちゃんを自宅に迎える準備など幅広くご紹介していきます。

ワンちゃんと楽しく生活していくためのヒントととして役立てていただければと思います。

 

 

 

『生活スタイルに合った犬種を』

 

みなさんはワンちゃんを飼いたいと思ったとき、何を最優先に犬種を選びますか?

「ペットショップで一目ぼれして」、「子供がほしがったから」、「運命を感じたから」など理由はさまざまかと思います。

 

ワンちゃんを飼うという事は新しい家族が1人増えるということです。

飼いたいワンちゃんが自分の生活スタイルに合っているかどうかを知っておくことがとても大切です。

 

例えば、忙しい生活を送る方が甘えん坊な犬種を選ぶとどうなるでしょう?

また、マンション暮らしのお家によく吠える犬種を選ぶと?

きっとお互いにとってストレスの原因になることでしょう。互いのストレスは思いもよらない行動を生み出したり、生涯を共に過ごすことを難しくさせたりします。

本来、楽しく過ごすはずだったワンちゃんとの生活から、かけ離れたものになるかもしれません。

 

では、どうやって自分の生活スタイルに合ったワンちゃんを見分ければいいの? という方も多いと思います。

 

ワンちゃんは元々、人と一緒に生活をするために、様々な役割を与えられてきました。役割に合うように性格やその姿を人が改良してきました。

ワンちゃんの特徴を見分けるための方法の1つが、グループ分けです。

それぞれのグループがどんな役割をもった、どんな性格の犬種なのかをよく理解し、自分や自分の家族に合っているかどうかをきちんと判断しましょう。

そうすることで、ワンちゃんとの生活がよりいっそう楽しいものになるといいですね。

 

✿グループと性格✿

 

それでは、どのグループが一体どんな内面を持っているのか1つずつご紹介していきたいと思います。

 

『牧畜犬』…ハーディング・グループ  

ハーディングとは英語で群れを【集める】【移動する】という意味です。牧畜が盛んなイギリスでその用途に応じて多くの犬種が生まれました。

 

主な仕事は、牛を追う・羊の群れをまとめる・オオカミから群れを守るなどです。 飼い主のいう事をしっかり守りつつ、自分の判断で仕事をこなすこともできます。

また、学習能力がとても高く、独立心が強いです。もともと牧場で仕事をしていたため、頭を使いながら体を動かす、アジリティなどで活躍する子も多いようです。

一方、精神的刺激や運動不足に対して、ストレスを感じやすい所があります。

 

体や頭を十分に働かせられるような場所に連れて行ったりできる、時間に余裕があり、かつ共に楽しむ体力のある飼い主さんに向いているでしょう。 

 

犬種

ボーダー・コリー

シェットランド・シープドック

シェパード

ウエルシュ・コーギー

オールド・イングリッシュ・シープドッグ

オーストラリアン・キャトル・ドッグ            など

 

 

『鳥猟犬』…スポーティング・グループ

その名のとおり、飼い主と共に鳥の猟をするためにつくられた犬種です。

イギリスではガンドッグとも呼ばれています。

 

狩りの種類は大きく3つに分けられます。

①獲物の落ちた場所を知らせる。(ポインター、セッター種)

②獲物を撃ちやすいように追い込む。(スパニエル種)

③落ちた獲物を回収する。(レトリーバー種)

 

ポインターやセッターは飼い主に知らせる時にするポーズが名前の由来になっています。

レトリーバーは獲物の落ちた場所が沼や湖の中であろうと勇敢に取りに向かい、獲物を傷つけないように優しくくわえ、飼い主の元へ運びます。

このように獲物の場所を突き止めるため、鼻がよく利きます。

攻撃性は低く、服従心が強いため、人が大好きです。友好的な子が多いグループです。

 

一方、力が強くテンションの上がりやすいのも特徴なので、年配の方だけで生活されるお家にはおすすめしません。

アウトドア好きな方にはおすすめです。

 

犬種…

コッカー・スパニエル系

セッター系

ポインター系

レトリーバー系

プードル(スタンダード

ワイマラナー                                    など 

 

 

『獣猟犬』…ハウンド・グループ

ハウンド・グループは最も古くから人と共に歩んできた犬種で、狩りのサポートをするのが仕事だった犬種です。主に大きな獲物の狩りを仕事にしてきました。

 

ハウンド・グループはセントハウンド(臭覚ハウンド)とサイトハウンド(視覚ハウンド)2つのタイプに分けられます。得意な分野が違うので、外見的特徴は全くといっていいほど違います。

 

セントハウンド…

胴長で足は短くがっしりとしています。これは長い労働時間に耐えられるように、人が後を付いていきやすいようにこのような形をしています。獲物のいる巣穴に入っていくのにも便利です。

足は速くないですが、持久力は抜群です。

また、地面に残る匂いを逃がさないように耳は大きく垂れ、唇はしっとり濡れています。

他の犬種に比べると、群れで暮らすことを好みます。

 

サイトハウンド…

優れた視覚で遠くの獲物を発見し、長くて速い足で追跡をします。

体は、少しでも空気の抵抗を減らすため、スマートで全体的に締まっています。俊敏な走りを可能にするため、骨格もしなやかです。

狩猟本能がとても強い種です。

 

このように同じハウンドでも全く違う特性を持ちます。

性格は穏やかな子が多いですが、スタミナ溢れる犬種ですので日頃の運動は不可欠です。 小動物を見ると、本能が働くこともあるので同居動物への配慮やお散歩中も注意してあげましょう。

また、声がとてもとおるのでアパートやマンション暮らしのお家にはあまりおすすめできません。

 

犬種… 

ビーグル

ダックス・フント

バッセト・ハウンド

アフガン・ハウンド

ボルゾイ

サルーキー

ウィペット

グレー・ハウンド

バセンジー                                   など

 

 

『小型獣猟犬』…テリア・グループ  

テリア・グループは猟犬の中でも、小型の獲物(キツネ、イタチ、アナグマ、ウサギ、モグラ など)を捕らえるために作られた犬種です。

元々は、ダックスなどのセント・ハウンドから枝分かれした種なので仕事の内容は似ています。

名前に【テリア】とつく子はほとんどがこのグループに属しますが、まれにトイやノンスポーティングに分けられる場合もあります。

 

テリアはラテン語で【穴を掘る】という意味で、獲物を穴まで追い込み、それを主人が捕らえるという方法がとられていました。

そのため、穴に入りやすいよう体は小さめの子が多いようです。また、愛らしい外見の子が多いのも特徴です。

テリアというと口の周りのヒゲのような毛がチャームポイントの1つですが、これは獲物に噛みつかれないように剛毛で覆われているのです。

 

体は小さくても強い闘争心を持ち、執着心が強く、頑固で攻撃的な一面も持っています。

きちんとしつけを行なえば、良い家庭犬・番犬になりますが、しつけ方を間違えると自己主張が強い分、扱いに困ることにもなります。

テリアの特徴を理解し、しっかりワンちゃんと向き合える方にとって良いパートナーになれることと思います。

 

犬種…

ミニチュア・シュナウザー

ジャックラッセル・テリア

ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア

ワイアー・フォックス・テリア

ノーフォーク・テリア

ブル・テリア

ケアーン・テリア                               など

 

 

『使役犬』…ワーキング・グループ  

使役犬は狩猟や牧畜以外の仕事で幅広く人間社会に貢献してきました。

その仕事の内容はさまざまで、ソリのけん引や人命救助・軍用犬・作業犬・警察犬・闘犬もこのグループに入ります。

力仕事が多いため大型犬がほとんどです。

 

仔犬のころから、たくさんの愛情と正しいしつけを行えば、命さえ託すことができると言われ、優秀なガードドッグにもなりえます。

 

ただし、闘犬や大型犬が属している為、しつけや訓練はしっかりと行う必要があります。

特に闘犬は攻撃のスイッチが一旦入ると止める事ができない場合もあります。

 

力持ちな子が多いだけに飼い主さんも体力が必要なのはもちろん、飼い主さんの言うことを聞けるように育ててあげられることも条件になってくるでしょう。

 

犬種…

土佐犬

グレート・ピレニーズ

セント・バーナード

バーニーズ・マウンテン・ドッグ

シュナウザー(ジャイアント、スタンダード)

シベリアン・ハスキー

アラスカン・マラミュート

ドーベルマン

ボクサー                 など

 

 

『愛玩犬』…トイグループ

その名のとおり、愛されることが仕事のグループです。上流階級の人々により毛色や姿の美しさが追求された犬種のため、かわいらしい顔立ちをしているのが特徴です。

ほとんどの犬種が成犬になっても仔犬のころの表情を残します。

 

体も小さい子が多く、自宅に運動のための広いスペースなども必要がありませんのでワンちゃんを飼うのが初めての方やお年寄りの方でも飼いやすい犬種です。

そのため現在の犬の半数以上はこのトイ・グループがしめています。

 

 

内面的には、観察力に優れ人の感情の起伏を読み取るのが得意なので、甘やかしすぎるとワンちゃんからの要求が増えてくるので要注意です。

また、見た目より頑固者で不審者には勇敢に吠えたりする一面もあります。

 

人と一緒にいることを好むので1人になる時間の少ない家庭にむいているでしょう。

 

犬種…

チワワ

プードル(トイ)

パグ

ポメラニアン

シー・ズー

マルチーズ

ヨークシャ・テリア

パピヨン

フレンチ・ブル・ドッグ

キャバリア・キングストン・スパニエル

ペキニーズ

チン

イタリアン・グレー・ハウンド                       など

 

 

『日本犬』…ジャパニーズ・グループ

私たちにとって馴染みのある犬種【柴犬】が含まれるグループです。

 

日本犬と一言に言っても2つに分けられます。

①古くから日本で暮らし、日本人と共に山岳地帯などで狩りをしてきた犬種

②海外の犬種と日本の犬種を日本で掛け合わせ生まれた犬種

この2種類に分けられ、①を【和犬】と呼び区別し、天然記念物にも指定されています。

 

外見はくるりとした巻尾にピンと三角に立った耳が特徴です。

忠犬ハチ公でも知られるように飼い主にはとても忠実です。また、素朴で勇敢な気質が海外の愛好家にも人気の秘密です。

知らない人にはあまり友好的ではないので番犬としても日本の家庭ではお馴染みです。

日本で生まれた犬種なので、日本の気候風土によく慣れ、長生きする子が多いとも言われます。

 

飼い主に忠実なだけにお互いの信頼関係を築ける方との暮らしに喜びを覚えるでしょう。 

 

犬種…

柴犬

秋田犬

紀州犬

甲斐犬

四国

北海道県

日本スピッツ

日本テリア                 など

 

 

このように犬と一言に言っても系統によって様々な気質をもっています。また、同じグループ・同じ犬種の中でも個々に性格が違う場合もあります。

生まれた時の環境・遺伝的な要素などが関係しているからです。

ご存知の方がほとんどかと思いますが、どの犬種を選んだとしても、しつけや運動・食事・排泄はつきものです。犬を飼うという事は家族が増えることです。

 

生涯お世話をしてあげられるかを十分に考えてから購入・譲渡していただくことをお勧めします。