【皮膚病のシャンプーの方法】

 

ここでは、皮膚病のワンちゃんの薬用シャンプーを用いたシャンプー療法(薬浴)の方法についてお話ししたいと思います。当院でも、薬浴を行っておりますが、アトピー性皮膚炎などの慢性の皮膚疾患のワンちゃんたちにとっては、ご自宅での薬浴が大変有効です。ご自宅で薬浴を行う際の手順とポイントについて、お話ししたいと思います。

 

①ブラッシング

洗浄前にブラッシングを行います。抜け毛を除去するだけでなく、大きなほこりや泥などを落とすことができます。スリッカーブラシ(針金の先端がチクチクしたもの)は皮膚に直接触れないように注意して、もつれ毛をほぐしてあげてください。

また、短毛種のワンちゃんの場合には、獣毛ブラシがお勧めです。

 

②前洗い

ちょっと冷たいかなと感じる位のぬるま湯(30℃程度)十分に前洗いを行います。ここである程度の汚れやべたつきを落としてあげることで、

次に使用する薬用シャンプーの効果が増大します。汚れやべたつきがひどい場合には、市販のシャンプー剤を使って一度洗ってから、薬用シャンプーを使用することをお勧めします。

 

③薬用シャンプーの塗布

シャンプー剤をいったん手に取ってから、まんべんなく塗布してください。薬用シャンプーの原液を体に直接または大量にかけないように注意しましょう。

 

④薬用シャンプーの浸透

皮膚の症状がひどい所から洗い始めます。爪を立てずに、指の腹で優しく皮膚をもみながら1015分間薬剤を浸透させます。

 

⑤洗い流し

シャンプーの洗い残しが無いよう、十分にすすぎます。保湿成分が入ったシャンプー剤を使う場合は、次のステップは飛ばして乾燥に入ります。

 

⑥保湿

リンスやトリートメント、オイルなどを使って保湿をします。乾燥肌・脂性肌にかかわらず、皮膚のバリアー機能を補うことによって、外部からの

病原体の侵入に対する防御策の一つとして役立ってくれるでしょう。

 

⑦乾燥

タオルで十分に水気を拭います。基本的にはタオルドライのみがベストです。

特に暑い季節や、短毛種のワンちゃんはタオルドライのみでも十分です。

また、ドライヤーの熱の刺激で、皮膚の炎症やかゆみがひどくなる場合があります。ドライヤーを使用する場合には、冷風にするか、ワンちゃんの体から十分に離してワンちゃんの皮膚が熱くなりすぎないように注意してあげて下さい。

 

※薬用シャンプー剤は、ワンちゃんの皮膚の状態にあったものを選んであげることが重要です。ご自宅で薬浴を行う際には、皮膚の状態にあったシャンプーをかかりつけの病院でご相談の上、行ってあげて下さい。