【外耳炎について】 

 

皆さんのお家の子で、頭を振る、後ろ足で耳の辺りを気にする等といった仕草がよく見られる…ということはありませんか?

このような仕草は、耳の病気にかかっているときに多く見られます。

 

耳の病気で一番多いのは、外耳炎(外耳道炎)です。

実は、耳道壁の構造は体の皮膚と基本的に同じで、外耳炎は皮膚炎の1

なのです。

 

外耳炎の発症には下の3つの事柄が関与しています

①素質それぞれの犬種特有の耳の構造などの先天的なもの、

          ホルモン異常・腫瘍などの後天的なもの

 

②原因耳ダニ等の感染・アレルギー・免疫が関係した病気など

 

③悪化のきっかけ細菌や酵母菌の感染や耳の皮膚そのものの変化に

                      よるもの

 

このように、ひとえに外耳炎といっても、様々なことが関係しています。いづれにしても、いつ頃から症状が見られるのかや、再発を繰り返しているのか等…のお話をお伺いすることが、外耳炎の診断や治療にとって、大変重要になってきます。

 

また、耳垢(みみあか)の色や性状を見ることも重要です。

・乾いた黒っぽい耳垢→耳ヒゼンダニの感染

・湿った茶色っぽい耳垢→ブドウ球菌酵母菌の感染

・ドロッとしたクリームあるいは黄色→ある種の細菌

・ペタッとしたワックス様→皮脂            が疑われます。

  

外耳炎の診断には、耳垢の見た目の観察はもちろん、耳垢を顕微鏡で検査する必要があります。お耳のお手入れをせずに来院して頂くと、より正確な診断を行うことができます。

 

また、お耳のケアに綿棒を使用すると、耳道を刺激し、さらに耳垢を奥に詰め込んでしまう恐れがあります。綿棒を使いたくなる位の耳垢が見られる場合には、外耳炎のような病気なのかどうか、かかりつけの病院で一度診察を受けて頂くと良いと思います。

 

※ご自宅での通常のイヤーケアの方法などに関しても、お気軽にご相談くださ

  い。